Hina

鼻の下を伸ばして、好色そうな目で妃菜を舐めるように見てる。

そして俺が一緒に居ない時は、あれやこれやと理由をつけては妃菜を自分の庭におびき出していた。

「ちっ、またあのじじいに物に釣られておびき出されたのか。あのじじいとは仲良くするなって言っただろうが」

「だって、お爺ちゃん息子さんと二人暮らしなのに、その息子さんも仕事でいつも居ないじゃない?お爺ちゃん、寂しいって言ってたよぉ。可哀相なんだよ」

だけどあのじじいがお前に声を掛けるのは寂しいからじゃない。

お前はあの爺に胸から太腿まで舐められような目で見られてるのに気が付かないのか?

そう言いたかったが、何となく独りの老人を心から思いやっている妃菜には言えなかった。




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