Hina

世界級の美女は少し驚いたように右眉を吊り上げたが、すぐに元の左右均整の取れた顔に戻り、落ち着いた声で言った。

「あら、妃菜。最近、いなくなったと思ったら、こんなところに居たの?」

そして視線は希菜を通り越して俺の方へ・・・・・・

「ふっ」

笑ったぞ、今ゼッテーに笑った。しかもあざけるかの様に。いったい何がおかしいんだよ!

俺はやさぐれた気分になった。

だけど分かっていた。何がおかしいのかは・・・・・・

きっと美女はバリだかポリネシアだか知らんが、人工的な森に人工的でないサルを見つけてしまったのだ。

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