Hina
「どういうことなんだ?」
俺はなるべく優しい声で、妃菜に尋ねた。表面上はあまり変わらなくても、突然のみいちゃんの出現で妃菜だってそれなりにダメージを受けているのかもしれない。
「あー、行っちゃったぁ。節約の話、したんだからぁ、みいちゃん何か奢ってくれるかと思ったのにぃ~。妃菜、ピニャ・コラーダ飲みたいよぉ」
えっ、ピニャ?何なんだ?一瞬打ちひしがれたような顔をして見せたのは、もしかして奢ってもらえないと察したからだったのか?
「ピニャだか何だか知らんが、プールサイドバーに飲みに行くか。あんな濃い女見てたら、俺も喉乾いた」
俺がそう言って妃菜の頭を撫ぜ付けると、妃菜は
「わあい!」
と言って両手を挙げ、喜びを身体で表現した。