Hina
「そうだ。ここ以外でどこか飼える場所を探せばいい。妃菜の実家を俺は知らないけど、きっと広くてペットなんか飼い放題なんだろ?そんなにその豚と一緒に居たいなら、実家に帰ればいいじゃないか」
つい口が滑ってしまった。
こんな嫌味なこと言うつもりはなかったのに。
妃菜はうつむいて豚を抱き上げると、黙って玄関から出て行ってしまった。
俺は追い掛けようかどうしようか迷ってやめた。
飼う事ができない現実は変えられないのだから、妃菜には豚を諦める時間が必要だろう。
しばらく一人にしてあげた方が妃菜にとっていいかもしれない・・・・・・。