Hina
いつもなら夕飯を食べているような時間になっても、妃菜は帰って来なかった。
あんな豚を連れて、どこをさ迷っているのか?
もしかしたらまた俺みたいな男に声を掛けられて、付いて行ったりしていないだろうか?
『豚と一緒に暮らしたい?いいよ、俺んち結構、広いから。君、可愛いからさあ、豚の1匹や2匹、君と一緒に面倒見るよ』
豚をだっこして途方に暮れていた妃菜に、ずっげー軟派な男が声を掛けている姿が頭に浮かんだ。