少年少女と恋愛観察
♥UNBELIEVABLE!!♥
通学路―
見渡す限り、参考書やら暗記帳やらを持ちながら会話を交わす学生達。
洒落っ気な子も、地味目な子も、高校3年と言う緊迫な時期には皆勤勉で良い子にと変身する。
そんな窮屈な雰囲気とは場違いに、
とある男は活発な動きを見せる。
「…ねーいっ!」
パシッ
「………痛い!!」
私は頬を押さえながら、後ろに振り向く。
するとそこには予想通り、長身な男が腕を組みながら立っていて、キッと睨む。
「何すんのよ、密(ひそか)…!」
…そう、このヒョロっと長身な黒髪の美少年は、
私の幼馴染の北条 密(ほうじょう ひそか)だ。