少年少女と恋愛観察
駿足を飛ばして下駄箱までに辿りつき、素早く上履きに履き替える。
そこで密は追い付き、私にも負けない勢いで上履きを履き替える。
「ちょちょっと、何よ!!」
「勝負だ!」「はぁ?!」
子供みたいに目をキラキラに輝かせ、密は一気に廊下へと駆け出す。
「ちょっとお!!」
しかし負けず嫌いな私も、ここで引き下がる訳が無い!
一目散に駆け出し、階段を上る。
前で走る見えたり見えなくなったりする密に対し叫ぶ。
「密ぁ!!アンタ、下らない事…
…ッキャア!!」
そこで思わず悲鳴を上げ、「寧?!」と呼ぶ密の声と、階段を駆け下りる足音が聞こえる。
しかし当の私は、そんな密を気にしてらんないわ。
階段を上る途中で誰かとぶつかってしまい、
勢いよく後ろに向かいよろけそうになる私の腕を、誰かが掴まえる。