sweet love.
自転車で向かった先は
高校入学と同時に始めた
バイト先のカフェ。
小さいけど隠れ家的存在のカフェは
客層としてはOLや女子大生といった
…まぁ大人な女性が多い。
「カプチーノになります」
営業スマイルと共に
運ばれたカプチーノ。
彼女は会釈して
小さな紙切れを渡す。
見なくても分かる。
彼女の電話番号かメアドが
書かれた紙切れだろう。
「すいません、
こういうの受け取れないんで」
笑顔で交わすと彼女は
残念そうな顔をしながらも
頬を赤らめていた。
そんなことを気づいていないかのように
俺はカウンターに戻る。