Garnet~大好きの伝え方
2―3
今日はなんだか溜め息をつく回数が多いと思った。
思ったら思ったで、
「園田ぁ、お前ちょっと溜め息つきすぎよ? 昼時に、まったく。陰気くさいからやめてちょうだい」
と、横にいる保険医に眉をしかめられた。
保険医の指示……というか命令で、保健室にいる人間は否応なくベッドに縛りつけられる。
たとえそれが、弁当を食べる時であっても。
そういう理由で、保健室に転がり込んでいる僕は、シーツの上におかずをこぼさないよう気をつけながら昼食を取っていた。
僕の横にパイプ椅子を運んできてお昼を取っている保険医の先生は、学校関係者、そして女性としては喋り方が荒っぽい。
「あのなあ、溜め息つくと幸せが逃げるんだよ、幸せがあ。しかもそれって人にまで伝染するんだよ。私に不幸を移すなよ? 不幸を。だから溜め息つくな」
「はあ……」
午前中ずっと無理を言って保健室で休ませてもらっている僕だ。
午後も休ませてもらいたいし、ここの主である先生に言われては反論なんかできない。
本を読むわけでもないのにポケットからメガネを取り出した。
メガネは時には仮面になる。だからかける。
思ったら思ったで、
「園田ぁ、お前ちょっと溜め息つきすぎよ? 昼時に、まったく。陰気くさいからやめてちょうだい」
と、横にいる保険医に眉をしかめられた。
保険医の指示……というか命令で、保健室にいる人間は否応なくベッドに縛りつけられる。
たとえそれが、弁当を食べる時であっても。
そういう理由で、保健室に転がり込んでいる僕は、シーツの上におかずをこぼさないよう気をつけながら昼食を取っていた。
僕の横にパイプ椅子を運んできてお昼を取っている保険医の先生は、学校関係者、そして女性としては喋り方が荒っぽい。
「あのなあ、溜め息つくと幸せが逃げるんだよ、幸せがあ。しかもそれって人にまで伝染するんだよ。私に不幸を移すなよ? 不幸を。だから溜め息つくな」
「はあ……」
午前中ずっと無理を言って保健室で休ませてもらっている僕だ。
午後も休ませてもらいたいし、ここの主である先生に言われては反論なんかできない。
本を読むわけでもないのにポケットからメガネを取り出した。
メガネは時には仮面になる。だからかける。