Garnet~大好きの伝え方
真木先生が、なんだコイツ、とでも言いたげに片眉を吊り上げる。

僕は言った。

「真木先生、僕は不幸ばっかり運ぶんですよ。それでも話を聞きたいですか」

「一度の不幸も二度の不幸も変わるかっつの。いいから話なさい、いいから。お前ぐらいの不幸パワー、怖くもなんともない。保険医なめんなよ保険医を」

さっき散々、僕に溜め息を禁止した時と言ってることが変わっている。

真木先生はそういう人だ。

「おもしろくないですよ」

「うるさい。とっとと話なさいとっとと」

釘を刺してはみたけれど……無意味だった。

僕がどれだけ渋っているのか、気付いてないとでもいうのだろうか。

だとしたら真木先生は、教師というよりも、人としてのデリカシーもない。

彼氏ができるのはまだまだ先かと、ひとり心の中で苦笑。

そして、独白した。
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