Ｇarnet～大好きの伝え方

「お前の話聞いてるとイライラするんだよ。よっぽど、その加奈ちゃんがよっぽどかわいそうよ。園田のわがままで傷ついてんだからな。

お前は傷つけないためとか言って、ただ逃げてるだけじゃないのよ。結局はその加奈ちゃんのためじゃない。加奈ちゃんのためじゃなくて、お前のエゴ。エゴだエゴ。そんなの、ふざけるんじゃないわ」

ふざけてる、エゴ、わがまま、イライラ、加奈がかわいそう……

先生の癖が、その単語を嫌みなほどに繰り返す。

それが悠里に言われたこととも被る。

またここでもみんな、加奈の味方なのか。

僕の味方になってくれなんて言わない。

だけれど、だれも、僕の苦悩をわかってない。

そんなに、簡単な話なもんか。

「じゃあ先生はどうしろって言うんですか」

卑屈になりながら訊いた僕に、先生は、口の端をつり上げた。

「簡単よ。お前が加奈ちゃんと付き合って、お前が加奈ちゃんを一番傷つかない方法で傷つけてやればいいのよ。私はその加奈ちゃんって子を、お前が一番大事にできると思うからね」

そしてそんなもの、所詮、僕の予測の範疇だった。

ほら、だれも僕の苦悩なんかわかっちゃない。