Garnet~大好きの伝え方
階段の残り三段をジャンプした。
踊り場に着地しながら手すりを掴んでキュウッと方向転換、また階段を駆けおりていく。
彼に気持ちを伝えたい。その一直線な意思が、私の足をどんどん、どんどん急がせる。
ヨシがいる保健室は、一年棟を抜けた先の職員校舎だ。
学年棟の乗降口と反対側、それぞれの校舎を結ぶ渡り廊下を走り抜けて、一年校舎へ。
そしてまた一年校舎をすぐに抜けて渡り廊下を進めば、職員棟で――
「林原先輩っ!」
「?」
突然、呼び止められた。
林原っていう苗字は珍しくはないと思うけど、今のところに年間この学校で過ごしてきて、私しか聞いたことがない。
だから、私が呼ばれたと思った。
振り返ると、一年棟からひとり、男の子が走ってきた。
生まれ立ての子犬みたいに茶色いふわふわの髪に、男の子にしては色白な肌。
カッコいいよりも、かわいいって、思わず頭を撫でてあげたくなるような、彼。
その細い線で彼は剣道部だというのだから、驚いてしまう。
彼は――こないだ私がふった、北川、光一くんだった。
踊り場に着地しながら手すりを掴んでキュウッと方向転換、また階段を駆けおりていく。
彼に気持ちを伝えたい。その一直線な意思が、私の足をどんどん、どんどん急がせる。
ヨシがいる保健室は、一年棟を抜けた先の職員校舎だ。
学年棟の乗降口と反対側、それぞれの校舎を結ぶ渡り廊下を走り抜けて、一年校舎へ。
そしてまた一年校舎をすぐに抜けて渡り廊下を進めば、職員棟で――
「林原先輩っ!」
「?」
突然、呼び止められた。
林原っていう苗字は珍しくはないと思うけど、今のところに年間この学校で過ごしてきて、私しか聞いたことがない。
だから、私が呼ばれたと思った。
振り返ると、一年棟からひとり、男の子が走ってきた。
生まれ立ての子犬みたいに茶色いふわふわの髪に、男の子にしては色白な肌。
カッコいいよりも、かわいいって、思わず頭を撫でてあげたくなるような、彼。
その細い線で彼は剣道部だというのだから、驚いてしまう。
彼は――こないだ私がふった、北川、光一くんだった。