Garnet~大好きの伝え方
言葉と一緒に体を揺すってくる北川くんから、離れようとする。

だけど男の子の腕力は、想像以上に強かった。

足ばっかりが、廊下で滑ってしまう。

「頭を冷ましてくださいよ先輩っ! よく考えればわかるじゃないッスか! 園田のどこがいいんだ!! みんな思ってる! 根暗で! 陰険で! 先輩の気持ちを簡単に踏みにじってる!」

「やめてやめてっ!!」

「今だってそうッスよ! アイツは今だってきっと、先輩のことなんかどうだっていいンすよ! なんも考えちゃいないっ! 俺だっったら絶対、先輩にさびしい思いなんてさせないのに!!」

「やめてって、ばッ!」

体をねじって、腕を振り上げて、なんとか私は北川くんから脱出した。

すぐに一歩引き下がって、彼と距離を開ける。

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