Garnet~大好きの伝え方
「私はヨシが好きだからそれでもいいのっ! ヨシがどれだけ冷たくっても、私がヨシを好きなのに変わりはないんだから! 絶対それはヨシに届けるんだから! だから、北川くんなんかのモノサシで言わないでっ!!」

「っ、先輩、俺は……!」

「さよならっ!」

もうこれ以上、話すことはなんにもないって言葉に込めて、背を向けた。

彼が反応するよりも早く、渡り廊下を走って職員棟に入る。

入ってすぐのところで右に折れた私は、壁に背中をつけた。

ほんの五十メートルだって走ってないのに、息が上がって、苦しくて、胸が潰れてしまいそうで、目が熱くなった。

胸が頭が目が体が心が、なんだかジンジンする。

どうしてあんなこと言われなくちゃいけないんだろう。

私はヨシが好きなの。

それがまるで、いけないことのような。

ヨシを好きになっちゃ、好きでいちゃいけないような、あんな言い方。

「加奈」

「!!」

と、さっきがさっきなら今も今、突然呼び掛けられて、どきりとした。

いつの間に来たんだろう。いつからそこにいたんだろう。

へたり込んだまま見上げた先には、鞄を持ったヨシがいた。

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