Garnet~大好きの伝え方
「あーあー、最後じゃん私ら」

ヨシのせいだよっていう目で、加奈が笑いかけてくる。

黒い髪の向こうにある瞳は、ほのかに茶色で、あたたかく潤んでいる。

一秒の直視が限界で、さっと目を外した。

「誰のせいだよ」

と、せめてもの抗議。

「だれかさんがのん気に教室に残ってたからだろ。さっさと帰ればよかったのに。だからこんな時間に――」

そこで、靴を取り出していた加奈の動きがかちりと止まり、あまりにもまっすぐ僕を見つめてきた。
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