Garnet~大好きの伝え方
「林原先輩!」

「!」

突然揺さぶられて、改めてハッとした。

見ていたようで見てなんかなかった視界に、男の子がひとり。

茶色のふわふわした髪に、カッコいいよりかわいいと言いたい顔立ち。

眉間にごわごわのしわを寄せた、北川くんだった。

彼はしゃがんで、私の顔を覗き込んでくる。

「先輩、アイツに、園田になにかされたンすか? まさか、殴られたんじゃ……!」

「え……?」

まさか、そんなわけないよ。

「……どう、して?」

「だって、先輩……泣いてる」

「えっ……?」

まさか、そんなわけないよ。

そう思って触れた頬は、ひやりと濡れていた。

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