Garnet~大好きの伝え方
それは……もしかして、悠里といる時の実体験だろうか。

語っている西村さん自身が、あたたかな日なたであごの下を掻いてもらっている、今こそまさしく、猫のような顔つきだった。

幸せ、いっぱいの。

開けっ広げで一方的なのろけ話に聞こえないこともなかった。

けれど、「はいはい、ごちそうさま」と茶化す気にならなかったのは、

彼女の話と僕らを重ねてしまっていたから。

加奈も、同じように思ってくれているんだろうか。

思ってくれるんだろうか。

きっとそうだ、なんて直結させるのは、やっぱり男の欲望丸出しのようで、気分が悪い。

でも、もしも本当に、加奈も僕を受け留めてくれるのなら――

これ以上の幸せはない。

僕が、加奈をあたためることが、できるなら――。
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