Garnet~大好きの伝え方
古びた革と紙の匂いが立ち込め、沈んでいく夕日の音まで聞こえそうなくらい静寂なそこ――

図書室に、彼は今日もいた。

いくつも並んだテーブルの一番左の列、奥から二番目の席。

これもいつもの位置。

なんとなくセピア色っぽい空気の中、真っ黒い学ランと真っ黒い髪、真っ黒い瞳と真っ黒ぶちのメガネが、浮き彫りになっていた。

「お待たせー、ヨシ。ほら帰ろ」

明るく声をかけると、本を読んでいた彼が、ゆっくりこっちに向いた。

彼のメガネの片方に日が反射して、真っ白に光る。
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