Garnet~大好きの伝え方
ヨシの背中を見ながら、なーに? と訊き返すと、ほんの少し、彼はこっちを振り返った。

「さっき言ってた北川てさ、どんなヤツ?」

「どんなヤツ、ねぇ――あっ」

通りを下っていくと、市電乗り場があって、ちょうど電車が来ているところだった。

「あれ乗るぞ」

「わかってるよっ」

ヨシと小走りになりながら、私に告白してきた北川くんを思い出す。

かわいいって言ったら男子は嫌がりそうだけど、実際本当にそんな感じ。

色素の薄い髪に、色白な見た目。

鋭い雰囲気のヨシとは正反対の、わたあめみたいな空気を持ってるのが北川くんだった。

動物で言うと……羊みたいなね。
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