Garnet~大好きの伝え方
僕の毎日には、加奈がいた。

僕が読み返していく記憶の一ページ一ページには、加奈がいた。

彼女は、僕という物語にとって、ヒロインで、とても鮮やかな文章そのもので、大切な、しおりのようだった。

きっと、彼女がいなくちゃ僕はなんにも読めないに違いない。

自分がいったい何ページにいるのか、見失ってしまう。

彼女がいて初めて、園田善紀は世界を読み取ることができるのだから。

そんな加奈と北川がデート?

僕でさえまだ「恋人として二人で休日を満喫する」なんて名目の外出はしたことがないのに。

一緒に出かけるんだったら、そりゃあ幼馴染みだ、何度だってある。

でも、それをデートだなんて思った記憶はない。

デートだと思って出かけるのと、ただ二人で出かける……

そこの気持ちの違いは、しゃれにならないと思う。
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