Garnet~大好きの伝え方
北川くんは続けた。

「でも今朝ンなって、俺、なにやってんだろって。

先輩が園田のこと好きなのは……俺のことなんとも思ってないのは、悔しいほどわかんのに……

なに調子づいてんだろうって」

「……」

「だから、駅前で呼び方を注意された時……俺、今日はもうダメだって、もうダメかもしんねぇって。

……俺、実はなんもできやしないんじゃないかって、思ったンす」

「……」

今度は、「そう」すらも言えなかった。

耳が、痛かったから。

向こうの柱の水槽で、黄色い魚が私のほうをジッと見ていた。

なんだか意味もわからないまま気まずくって、目をそらす。

北川くんと反対を向くことになった。
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