Garnet~大好きの伝え方
もしもこれが、ヨシに言ってもらえたら。

そう、私が彼に言ったと同じ強さで、同じ想いで、好きだって言ってもらえたら。

大袈裟かもしれないけど、たぶんきっと、悶絶してしまう。

嬉しくて、泣いてしまうかもしれない。

喜びが大きくなり過ぎて、頭の中も胸の中もいっぱいになっちゃって、破裂して、気絶してしまうかもしれない。

「先輩」

と考え事をしていたら突然、

「先輩は残酷っすよ」

北川くんが、私を背中から包み込んできた。

驚いて声をあげるか、飛び上がる前に、

「ひどいっすよ……」

少し、ぐずったような声が、耳元で囁いた。
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