Garnet~大好きの伝え方
「わかって、ます……」

そう答える北川くんはもう、口の中で砂利を噛み締めているようだった。

ぐすりと、たった一度だけ鼻をすする音が聞こえてくる。

「だって俺、先輩のそういうところを好きになったンすから」

「え……?」

よく意味がわからないでいると、彼はどことなく誇らしげに答えた。

「俺が初めて先輩を見たのは、高校入ってすぐン時でした。体育館の裏で先輩、男から告白受けてたンすよ」

「……」

「でもふった。すげぇきっぱり『アナタとは付き合えない。ごめんね、バイバイ』ってだけで、もうそれ以上なんも聞かずに、スパってふってました」

「あははは、そっか」

我ながら、さすがはふり魔呼ばわりされるだけはある……。
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