Ｇarnet～大好きの伝え方

何度だって思う。

彼はどうして、私なんかに恋してしまったんだろう。

ごめんね――とは、言わなかった。

ただ、正面から向き合う。

「お願いって？」

「……キス、させて」

「イヤ」

あんまり即答したもんだから、北川くんは「ぷーっ」と吹き出した。

「ちょっ、先輩！　そこは一瞬でも考えるフリとか、せめて恥ずかしがるとか慌てるとか、俺が楽しむ時間くださいよっ！」

「えーっ、やだよ。そういうのは全部ヨシに取っとくんだもん」

反論すると、北川くんは切ない、でも嬉しそうな、そしてとても懐かしそうな目をした。

「あぁー……今のだ、今の。……俺が惚れた時の顔」

「えっ」

顔が赤くなったかもしれない。

このタイミングでそんなことを、そんな穏やかに言うのは反則だ。