Garnet~大好きの伝え方
北川くんは改めて、これが本当のお願いとばかりに、言った。
「じゃあ先輩、俺のことできたら、名前で呼んでください。
ただの先輩と後輩より親しくなれたんだって証拠に。これからは、光一って呼んでください」
それは彼にとって、たった唯一、本当の意味でせめて味わいたい、幸せなのかもしれない。
苦くて、切なくなるばかりのはずの、複雑な幸せ。
本当にごめんね。
ひどいことをしているから、そう思う。
こんな私でも、彼に少し、恋人以外の立場でなにかしてあげられるのなら――
叶えてあげよう。
「いいよ。光一くんって呼ぶね、これから」
「はい。ありがとうございます」
「じゃあ先輩、俺のことできたら、名前で呼んでください。
ただの先輩と後輩より親しくなれたんだって証拠に。これからは、光一って呼んでください」
それは彼にとって、たった唯一、本当の意味でせめて味わいたい、幸せなのかもしれない。
苦くて、切なくなるばかりのはずの、複雑な幸せ。
本当にごめんね。
ひどいことをしているから、そう思う。
こんな私でも、彼に少し、恋人以外の立場でなにかしてあげられるのなら――
叶えてあげよう。
「いいよ。光一くんって呼ぶね、これから」
「はい。ありがとうございます」