Garnet~大好きの伝え方
剣道部員らしくとても丁寧に頭を下げた光一くんは突然、

「うっしゃあ!」

勢いよく立ち上がると、コーラのプルタブをぷさっと開けて、缶を逆さにする速さで中身を飲み干した。

その途端、盛大なげっぷが出て、びっくりする。

ついぽかんとしてしまった私に、清々しいくらいの笑みで光一くんは言った。

「さーってそんじゃあ、協力しましょうかね、俺も」

「え? ……なにに?」

「なににって、先輩の恋にに決まってンじゃないすか」

自販機横のゴミ箱に缶を捨てた彼は、どんと胸を張る。

「知らないンすか、先輩? 俺はね、園田から『加奈を任す』って言われた男っすよ。

つーことは、先輩を幸せにしてやんのが俺の役目なわけっす。

先輩の恋人になれねぇんだったら俺、先輩の一番頼りになる後輩になってやりますよ」
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