Garnet~大好きの伝え方
「こ、光一くん……やっぱり君って、体育会系だね」

「先輩は嫌いっすか? 体育会系」

「どう、かな。少なくとも、ヨシは体育会系じゃないし」

「頼れる後輩に選ぶなら、文系より断然体育会系っすよ。

飲みもん買ってくるのだって、体育会系なら即行っす。俺、足自信ありますから」

と、自信満々な彼はどこか、彼の言う『頼れる後輩』になろうなろうと必死みたいだった。

そうやって自分を、『恋人になれなかった男』から『頼れる後輩』に素早く切り替えることで、なにかを保っているみたいに見える。

そう気付いたから、

「ごめんね、光一くん」

また謝ってしまってた。
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