Ｇarnet～大好きの伝え方

加奈が僕を好きでいてくれることも、

北川が渋々でもなんでも引き下がってくれることも、

僕にとって都合がよすぎる巡り合わせのようだった。

叫び出したいくらいだった。

けれど、今はダメだ。

西村さんや悠里の助けを全面で受けて、加奈の気持ちを盗み聞きして。

こんな、僕ひとりだけ、なにもかもお膳立てしてもらう今にこのまま甘んじていいわけがない。

僕がこの恋の土俵に上がるには、覚悟だとか決心だとか、とにかく準備が全然できちゃいない。

もしかしたらそんなのは、いわゆる男の見栄っ張りってやつかもしれないけど……

それでもだ。

加奈が僕に、北川が加奈にぶつかったような、強い誠意。

悠里と西村さんが与えてくれた勇気や自信、このチャンスすべてに報いるだけの結果を見せなくてはならないんだ。