Garnet~大好きの伝え方
これでまともなアドバイスがもらえなかったら、僕は二人に笑い飛ばされた分だけ損だ。

これでも、かなり恥ずかしいのを我慢して質問しているんだから。

「うーむ」と、片手を顎にやるという、わかりやすい考え中のポーズを取ってから、悠里は答えた。

その、彼の口がなにかを言う前に、

「そんなに悩まなくたっていいのに」

横から西村さんが、先に言った。

振り向いた先で、西村さんはとても白い二の腕をあらわにしながら、きゅっと吊り革を持っている。

彼女は僕ら二人を見上げ返した。
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