Garnet~大好きの伝え方
林原加奈――僕の幼馴染みで、僕の大好きな女の子。

ずっとそばにいた。

好きだって、言えるだろうか。

好きだと、伝えられるだろうか。

彼女は僕の気持ちを、こんなに優柔不断で煮えきらなかった僕を、まだ受け入れてくれるだろうか。

加奈もいない自分の部屋なのに、ただの練習なのに、想像してるだけなのに、全身が震えてしまう。

知らなかった。

好きという気持ちを伝えること、伝えようと思うこと、恋するということが、こんなにエネルギーの要ることだったなんて。

覚悟はついた。ついたと思う。


問題なのは、いったいいつ、どうやって告白しようかだった。

ベッドにもぐり込んだ時からずっと、そればかり考えている。

加奈の顔が思い浮かべば、必ず横に北川が出てくる。

なんというか……プレッシャーだった。
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