Garnet~大好きの伝え方
ふらふらと、不思議の国へ迷い込むアリスが奇妙ものを次々と見つけてしまうような足取りで、図書室の奥へ進む。
特別高くて重くて頑丈そうな木製の本棚が並ぶそこは、いつだったか夢で見た場所。
記憶に残ってるそこと、いま目の前にあるそこは、微妙に違ってた。
床が、夢の中よりちょっと埃っぽそうだ。
けど、とてもくすんだ色のカーテンと、それで産み出される世界は、夢の中と同じだった。
棚がすごく高いから、どこかの迷路に迷い込んだみたいな心地も、だいたいおんなじ。
それだけに、今ここにヨシがいないとなると、なおさら満たされない。
ユ メ イ マ
理想と現実との、差を見つけてしまったんだ。
「ふう」
と溜め息をついたその時、後ろで足音がして、
「――え?」
振り返った私は突然――襲われた。
特別高くて重くて頑丈そうな木製の本棚が並ぶそこは、いつだったか夢で見た場所。
記憶に残ってるそこと、いま目の前にあるそこは、微妙に違ってた。
床が、夢の中よりちょっと埃っぽそうだ。
けど、とてもくすんだ色のカーテンと、それで産み出される世界は、夢の中と同じだった。
棚がすごく高いから、どこかの迷路に迷い込んだみたいな心地も、だいたいおんなじ。
それだけに、今ここにヨシがいないとなると、なおさら満たされない。
ユ メ イ マ
理想と現実との、差を見つけてしまったんだ。
「ふう」
と溜め息をついたその時、後ろで足音がして、
「――え?」
振り返った私は突然――襲われた。