Garnet~大好きの伝え方
(どちくしょう)

加奈を待っていたせいで、下校ラッシュとは比べ物にならないくらい、人が少ない。

おかげで他人の目もない。

いっそ人がいてくれれば、僕も絶対手が出せないのに――どうして神様は余計なチャンスを、要らぬ試練を与えてくれるんだ。

目玉だけを動かして、加奈を見る。

けがしたくない。
汚したくない。
壊したくない。

だから、彼氏になんかなれない。

こんな僕が彼女の恋人になんかなってしまったら、きっと取り返しがつかなくなる。

彼女を泣かせてしまう。

そんなのは、世界の終わりよりも、いやだ。
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