Garnet~大好きの伝え方
条件反射みたいに、その名前が出た瞬間、僕の脳みそは沸騰した。

僕の中で、彼らの言っていることの深刻度が、百万倍に膨張する。

「か、加奈が……!?」

大変って、つまりどんな風に!?

人の肩を思いきり掴んで、首がもげそうな勢いでガクガク揺すったことがあるだろうか。

僕はある。いや、今初めてした。

悠里に。

「加奈がどうしたんだ! 図書室って、なにが、どういうことだよ!!」

「うっ、よ、よじのり……ぐるじ……っ! た、タンマタンマぁぁあ~!?」

「タンマじゃない! 加奈がどうしたんだ!?」

その時だ。

「ヨシっ、くんっ!!」

「いっ!? っだぁ――!?」

ずどぁん! と、大太鼓もびっくりないい音がした。

スカートだっていうのに、膝ごと思いきり持ち上げた西村さんの足が、僕の足を半端じゃない強さで踏んづけたのだ。

しかも踵で。全体重をかけて。

その長いチョコ色の髪が、反動で舞い上がるような勢いをつけて。
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