Garnet~大好きの伝え方
本から顔をあげたみんなが、まるで宇宙人でも見るように注目してくる。

無視だ、無視。

そんなどうだっていい視線は、だから、そう、どれだけどうだっていいかをなんだかんだと言う気にならないくらい、どうだっていいか。

――加奈は?

そう、加奈は?

加奈はどこだ……?

疑問と不安は募るばかりなのに、なぜか、心と足はひとつを目指す。

図書室の一番奥。

そこにいるかもしれないという予想が、一歩近づくたびに、

(いるだろう、いや、そこに違いない)

という確信へ変わっていく。

そして僕は――

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