Garnet~大好きの伝え方

Ⅳ―Ⅱ

ヨシは……

ヨシはいま北川くんに、なにをしたんだろう?

足音がして振り返ったら、北川くんがいた。

そして突然手を掴まれて、押さえつけられて、口を塞がれて……

なんだかわからないけど、怖かった。

すぐ目の前にいる北川くんが羊というよりも、狼に見えた。

ほとんど直感だったけれど――

(襲われる。食べられる)

そう思うくらいだった。

子供だったら、発作みたいに泣き出してしまいそうな迫力だった。

身動きも取れなくて、声も出せなくて、ひたすら怖かったんだ。

そうしたら突然ヨシが現れて、それで……

北川くんが床に倒れて、ヨシが私の前に立ちはだかって……
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