Garnet~大好きの伝え方
男子と女子の体力の差を、こういう時に実感する。

僕は男で、彼女は女の子なんだって、よくわかる。

ほんの少しの全力疾走でも乱れてしまう息、そのせいで上下する肩。

やがて落ち着き始めて、少しずつ開かれるまぶた。

そうして僕を見つめてくる瞳。

そのすべてに一瞬、胸の内側をくぅっと引き絞られる感覚があった。

無性に、懐かしさが込み上げてくる。

ああ、僕は、加奈の前に帰ってきたんだって。

加奈が言う。

「北川くんは、私とヨシの仲を取り持ってくれたんだよ」

「北川が、僕と……加奈を? いや、ちょっと待ってよ……え? は?」

仲を、取り持つ?

あれで?

あれで、か?

たしかに、図書館から加奈を連れ出したことは事実だし――

そもそも、加奈が大変なことになってるって言われたから、僕はあんな行動を取ったわけだけど……

いや、でも、あれが、僕と加奈の間を取り持つ……?
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