Garnet~大好きの伝え方
完璧に、してやられた。

お膳立てされ過ぎの僕は、踏ん切りの踏ん切りまで、あの三人に頼ったことになるのだ。

しかも、会話の流れとは言え、加奈を好きだっていう決定的なフレーズを、聞かれた。

すぐ後ろにいた加奈が、僕のあの発言を聞き逃しているはずがない。

ちらりと加奈を見てみる。

聞かされてもなかった修羅場の芝居を打ったにしては、そして、久しぶりに僕と二人っきりにしては、清々しい顔をしている。

そう、なにかに、自分ひとりだけ先に満足してしまったような顔。

理由くらい、わかるさ。

さっき僕が、加奈を好きだって言ったのを、聞いたから。

きっとそうだ。

告白という関門もなかったのに、僕の気持ちを確認できて、舞いあがってるんだ。
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