Garnet~大好きの伝え方


「大好きだよ、加奈。
僕と、付き合ってください」

「っ、っ、っ」

大粒の涙をぼろぼろこぼしながら、何度も何度も、うなずいた。

うなずいてくれた。

口元を手で隠して、少しずつうつむきながら、

それでまだ、何度も何度もうなずいてくれる。

その涙も、

うなずいてくれる仕草も、

「うん」と言い切れてない小さな声も、

なにもかも、愛しくてたまらない。

本当に、何度も何度も彼女はうなずいてくれる。

嬉しくて、叫びたいくらい嬉しくて。

「……加奈」

僕がそっと差し出した手を、取った瞬間――

「ヨシぃ~~っ!!」

加奈のほうが、叫んだ。
< 326 / 370 >

この作品をシェア

pagetop