Garnet~大好きの伝え方
両手がいっぱいに広げられて、腕が思いきり伸ばされて、僕へ体を投げ込んでくる。

首根っこに、ぐるりと腕が巻きついてくる。

胸で、鈍い音がした。

そう思った時にはもう、彼女は僕にしがみついていた。

唖然として、動揺もして、少しよろけてしまう。

けれど、一歩だけ足を引いて姿勢をぐっと保った。

後ろへ倒れてしまうのをこらえた。

ゆっくりと足を引き戻して、もとの体勢に戻る。

いつの頃からこんなに小さくなってしまったんだろう。

そう思っていた彼女の体は、今こうして抱き留めてみれば、あたたかくて、やわらかくて、いいにおいがした。

たしかな立体をしていた。

けど、やっぱり、体の全身が感動に震えてしまうほど、小さくて、かわいかった。

いとおしくて、守りたいと思った。

距離はゼロ。

加奈のにおい。

これも、一週間ぶり。

(あーちくしょう、息、苦しい)

加奈の香りと体温のせいで、頭のネジがぶっ飛んでしまいそうだった。
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