Garnet~大好きの伝え方
サビ――っていうのがクラシックとかにあるのか知らないけど、ひときわ綺麗な旋律を歌い上げた麻里亜ちゃんが、「ふーむ」と唸った。

たぶんきっとまた、難しい顔をしてる。

「んんん~、ここはアンダンテな感じがいっかも~」

む、また出たな、謎単語。

もしかして麻里亜ちゃんは、わざと独り言を聞かせて私を混乱させようとしてるんだろうか。

ありえない話じゃないかもしれない。

麻里亜ちゃんは、いたずらっ子さんだから。

ほんのちょっと苦笑しながら、麻里亜ちゃんの肩に顎を乗せる。

楽譜の線以外は全部手書きのそれをしげしげ見つめながら、そういえばとばかりに訊いた。
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