Garnet~大好きの伝え方
いいの、加奈?

ダメなら拒絶してくれよ。

僕は自分じゃ、止められないよ?

心の中の弱々しい問いを、投げ掛けるだけの気配りができない。

彼女の匂いが、体温が、僕を誘惑する。

だからやめられない。だから止まれない。

僕はもう、欲するままに彼女の肌をまさぐり、胸を揉んで、唇に噛みついてしまう。

唾液が絡んでいく互いのしたさえ、なまめかしくて仕方ない。

もっとその、熱に犯されたような表情を見たい。





――っ、くそったれ。

こんな僕、汚ならしい。

汚ならしくて、けがらわしくて、最低だ。

だから言ったんだ。思ったんだ。

僕は君の彼氏にはなれない。

僕は君に相応しくないって。

だというのに、

「ヨシ……ヨシ、ぃ……」

どうして君は、そんなに潤んだ瞳と濡れた声音で、僕を惑わすんだ。

くそったれ。園田善紀――お前は最低だ。

欲望に負けて、野蛮にキスをして、彼女を抑えつけて。

林原加奈を抑制する前に、自分を抑制しろ。

くそ、くそ、くそ。

園田善紀の大バカ野郎。

やめろと言っても聞かない、僕めが。

くそっ。
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