Garnet~大好きの伝え方
そんなことを、加奈とはまったく違うところで痛感していた僕は――

ふと、小さな笑い声を聞き取った。

ちらりと視線をやると、この剣道場まで延びている渡り廊下、

その屋根を支える木の欄干に、悠里が寄りかかっていた。

嫌味ったらしいまでに調律された忍び笑いが、しつこく聞こえてくる。

欄干から離れた彼は、僕の肩にポンと手を置いてくる。

「いやあ、対決、お疲れ様ですね、善紀くん」

「うるさいな。めちゃくちゃおもしろそうな顔して言うなよ」

「まあまあ。加奈ちゃんを賭けて男の勝負だ! とか言われなかっただけよかったじゃない」

「そりゃ、」

パァンっ!!

「ィエェェェェンンッ!!」

「……まあ、そうだね」
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