Garnet~大好きの伝え方
「あー、そんなこと言うんだ」

と、片付けを淡々整えていくヨシに、嫌みっぽく言った。

「だいたいだれのせいで私がフリ魔になってるか、わかってんの? どっかのだれかさんが、素直にならないからでしょー?」

「じゃあ、そのどっかのだれかさんから伝言。すみませんね、素直じゃなくて」

「あーもー、またそーやってはぐらかす~」

せっかくの嫌味も、ポンと肩にかけた鞄のように軽く扱ってしまう彼が、スタスタと私の横を抜けていく。

私はそのあとを追いながら、学ランの背中を見つめた。
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