Garnet~大好きの伝え方
加奈……

「帰れッ、もう帰れ、加奈ッ!」

「ヨシ――……」

「帰れっつってんだよ!!」

これで、僕を、大嫌いになってくれ。

こんなどうしようもない僕なんか、もう嫌いになってしまえ。




そして僕の大好きな彼女は、

静かに、

――パタン――

ドアの向こうへと、
消えた。



力の抜けた僕の手から、本が落ちる。

音を立てて床に開いた本が、僕の手へ勝手に舞い戻ることはない。

それは、彼女も同じ。

加奈……僕のことを嫌いになれ。

嫌いになってくれ。

そう思う。

けれど僕は、涙が溢れてくるのを、止められなかった。

加奈、どうか僕のことを嫌いに……
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