Garnet~大好きの伝え方
「……うるさいなぁ」

ジリリリと鳴り続けている目覚ましを手に取って、裏側についているスイッチを切る。

てっぺんについてる二つのお団子を小さなハンマーで叩き鳴らす、目覚まし時計の典型みたいなこれは、ヨシからの贈り物だ。

中学生になった最初のプレゼント。

朝ちゃんと起きられるようにって、電子式じゃなくて、このアナログ時計をくれた。

もう、あの時は嬉しくって嬉しくって。

早速これを使った最初の朝は、あまりの音の大きさにビックリしすぎて悲鳴をあげてしまったくらい。

それくらい、この目覚まし時計の音はうるさい。

金属が金属を叩くんだから、当然だ。
< 61 / 370 >

この作品をシェア

pagetop