Garnet~大好きの伝え方
僕はどっと背もたれに体重をかけた。

安っぽいざらざらしたクッションの上で、制服のズボンがずるりと擦れる。

訊かれてはいないけど、答えないわけにはいかない。

彼は僕にとって大切な友達だし、それに、少し、加奈には言えない僕の悩みを、だれかに、できるなら男友達に打ち明けてしまいたかった。

日下悠里は、だからまさに、うってつけ。

目は向けず、正面の空気へ語るように。

「唐突な話だけどさ……俺さ、加奈のこと好きなんだよ」

「うん、知ってる」

「でもさ、加奈を傷つけるのが怖いんだよ」

「見てればわかるよ」

突拍子もない話だというのに、あまりにも平然と相づちを打ってくれる悠里も、けれど目線は真正面だ。
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