Garnet~大好きの伝え方
かわいいでも綺麗でもなく、ちょこっとしたえくぼでなんだか癒されてしまう笑顔。

唇の右下のぽつんとしたほくろ、耳にかけている長い長いチョコ色の髪。

同性の私でも、こんなに近くで顔を合わせちゃどきりとするような女の子――

西村麻里亜ちゃんが、そこにいた。

「ふふふぅ、おはよう加奈ちゃん」

と、麻里亜ちゃん。

その彼女らしい含み笑いは、なにか企んでいたり、いたずらを考えていたり、下心があったりする時のものだって、私は悠里くんの次くらいによく知ってる。

今朝のメールの内容から、いったいなにを考えてるのか予測してみる。

「どうしたの麻里亜ちゃん。数学の小テスト、なんか対抗策でも見つけた?」

「うんー? あ、数学? ううんー、ぜぇーんぜんっ♪」

「……そうなんだ」

全然なのに、どうしてそんなにお気楽な笑顔なのかな、麻里亜ちゃん。

私も全然だけど、そこまで素敵に明るく笑えないよ。

たとえヨシとのことがなくったって、そんな風には。
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