Garnet~大好きの伝え方
麻里亜ちゃんが後ろ向きに歩きながら、訊ねてくる。

「私よりも、加奈ちゃんのほうこそどうかした? ヨシくんとなにかあったとか。浮かない顔してるよっ?」

「えっ。うっ、あ……そ、そうかな」

ちょっぴり笑って小首をかしげてみたけれど……

当たりも当たり、大当たり。

隠せるわけなんかなかったんだ。

きっと今私、自分じゃ笑ってるつもりだろうけど、とても青い顔をしているかもしれない。

そう思うと、なけなしで作った笑顔もしゅんと、霧散してしまった。

「……やっぱり、わかっちゃう?」

と、白状するしかない。

ううん、白状して、そしてできたらちょっとだけ、愚痴、みたいなのを聞いてもらえたらって、甘えが出た。

「うん、わかるよ。加奈ちゃんは表に出やすいから。もう今すぐにでも死にそうって顔に書いてあるもん」

「……そっか」

自分じゃ、いつヨシと鉢合わせてもいいように、できるだけ普通にしてるてもりだったんだけどなあ。

そんなにバレちゃってるんだ。
< 77 / 370 >

この作品をシェア

pagetop