Garnet~大好きの伝え方
私は正直に、なにがあったのか話した。

ヨシのことを悪く言いたくない。

だから、あったことだけを、まるでプリント用紙に箇条書きしたみたいに話した。

言ってみると、昨日あったことなんて、ほんのちょっとの言葉で終わってしまうことだったけれど――

どうしてどうして、こんなにこんなに、私の心は痛んでるんだろう。

とってもとっても、体の内側がさむなるんだろう。

「それは加奈ちゃんがヨシくんを本当に好きだからだよ」

そう、話し終わってから麻里亜ちゃんに言ってもらえて、なんだか嬉しかった。

私がどれだけヨシのこと好きか、わかってくれる人がいるって。

なんだかすごく励まされる。

きっとヨシも、そのうちわかってくれるって。

なんだかすごく勇気づけられる。

「うん。ありがと、麻里亜ちゃん」

だけど、どんなに勇気づけられても、この気持ちがなかなかヨシに伝わらない。

ううん、ヨシが、受け取ってくんない。

それを思い出すとやっぱりどうしても、どんなに意識して作った笑顔も曇っていく気がした。
< 78 / 370 >

この作品をシェア

pagetop