Garnet~大好きの伝え方
林原加奈といつも一緒にいる園田善紀がおかしくなった。そんな目ばかりだ。

そう、僕の形容詞なんて、そんなもの。

人気のある林原加奈のお供、幼馴染み。金魚のフン。

僕は、林原加奈の、と頭につかなければ、これといった特徴もない男だ。

こんな地味な僕が、彼女に吊り合うもんかとも思う。

僕は彼女を傷つけてしまうだけじゃない。

そもそも、似合わないんだ。

「みんなもだ!」

僕は叫んだ。

「俺は加奈とは付き合わないし、付き合えない! 絶対だ!! この中に加奈のこと狙ってるヤツがいたら、俺のことなんか気にすんな!! 俺と加奈は関係ねぇ!」

「っ、善紀……っ!!」

珍しく、悠里が怒りを含ませていた。

なんだよ。人の逆鱗を撫でるだけ撫でておいて、お説教のつもりか。

お前はいいじゃないか。西村さんと上手くやれてるんだ、醜い感情なんてないんだろ。

苦しみなんて、悩みなんて、ほんとは米粒ほども汲み取ってないんだろ。

そう八つ当たりしてしまいたい。彼は、本当はなにも悪くないとわかっていても、メンコのように言葉を叩きつけたい。

こんな、こんな独りよがりな僕だから……だから、加奈には相応しくないんだ。
< 88 / 370 >

この作品をシェア

pagetop